はじめに
「フルートを始めたいけど、どんな楽器を買えばいいの?」
楽器店に行けばピカピカの銀色のフルートがズラッと並んでるし、ネットを見れば1万円台の“怪しい新品”まである。
これじゃあ迷って当然ですよね。
まず言います。
初心者にとって最初の一本は運命の相手みたいなもの。
最初の印象で「やっぱり無理かも…」って諦める人もいれば、「あ、私やれるかも!」と音楽の世界に踏み出せる人もいます。
だから、ちょっとしたコツを知って選べば、失敗はグッと減ります。
さ、ここから一緒に「初心者がフルートを購入するときに気をつけるポイント」を見ていきましょう。
目的をハッキリさせよう

あなたはどうシーンやどこで吹きたいですか?
- 趣味で家で吹きたい?
- 音楽教室で学びたい?
- 発表会やアンサンブルを目指したい?
この「どんな場面で使うか」を最初に決めること。
フルートは見た目こそシンプルだけど、価格も性能もピンキリ。
「とりあえず安けりゃいい!」と買った楽器で、音が出にくくて挫折…って人、私の周りにも山ほどいます。

私、楽器代をケチろうと思ってた

初めて買う楽器は慎重に選んで欲しいなぁ
目的と続けたい気持ちを考えて、予算を組むのが大事ですね。
フルートの基本知識を知っておこう

フルートの種類
初心者が買うのは C管コンサートフルートで十分です。
アルトフルートやバスフルートは上級者や特殊用途。
最初から選ぶものではなく、アンサンブルグループを作る時に必要にはなります。
キーの違い
キーには2種類あり、購入時に選べます。
- カバードキー:穴が塞がってるから指が置きやすい。初心者におすすめ。
- リングキー:穴が開いてる。音色や表現の幅は広いけど慣れが必要。
リングキーは、穴を完全に塞がないとかすれた音になりがちなので、2本目を購入時に検討してもよいでしょう。
オフセットってなに?

カタログや楽器店の値段表に「オフセット」と書いている場合があります。
オフセットというのは、右手薬指が自然に届くようにキーが配置されている構造のことです。
キーの並びが少しいびつですが、手が小さい人や初心者向けの構造です。
Eメカニズム

高音の「ミ」が出しやすくなる補助機構構造で、ほとんどのメーカーが標準装備になっています。

メーカーによっては、オプションなんです

え!びっくりだわ!
初心者なら、「Eメカ標準装備」モデルを選べば大丈夫です。
材質の違い

フルートは、初心者〜上級者向けによって、使われる素材が変わってきます。
初心者は「洋銀」もしくは「頭部管銀」モデルを推奨されます。
- 洋銀(ニッケルシルバー)+銀メッキ → 入門用の定番。8~15万円前後。
- 頭部管だけ銀 → ワンランク上の音色。20~40万円台も多い。
- 管体のみ銀→キーのみ意外は銀。30〜50万円台が多い。
- 総銀 ・金・プラチナなど→ 全て銀など。音の深みが違う。50万~100万円以上。

全て銀や金なんて想像もつかないわ

高級車1台分買えるものもありますよ

持っている人のフルートを見たけど、
私には無理だわと思った。
管体銀製や総銀、金・プラチナなどは、半プロやプロの方が持つような世界。
フルート初心者には、楽器の重さやなりにくさでは歯がたたないです。
最初から高級モデルを持つ必要はないですよ。
信頼できるメーカーを選ぼう
それでは、どこのメーカーのフルートが安心できるのでしょうか?
- ヤマハ:安定の品質、サポート充実。
- パールフルート:吹きやすく、初心者でも鳴らしやすい。
- ミヤザワ/アルタス/ムラマツ:中~上級者向けだが、最初から検討しても◎。
海外製(ヘインズなど)もあるけど、日本で修理・調整できるかどうかを必ず確認してくださいね。
サポートが弱いと、ちょっと壊れただけで「はい終了」ってなるので要注意です。
フルートの価格帯と相場
では、フルートの価格帯と相場はどうなっているのでしょうか?
最近は、世界情勢から楽器の値段がどんどんあがり、買いにくい状況になっています。
入門クラス
8~15万円(洋銀+銀メッキ)。
中級クラス
20~50万円(部分銀や頭部管銀)。
上級クラス
50万円以上(総銀や特注モデル)。
注意点として、1~2万円台で購入できるフルートがあります。
今の相場ではそのクラスは”おもちゃ”と一緒で、つぶれても修理してくれるお店はありません。

え!そんなぁ〜!

通販サイトで冗談で1万円のピッコロを買って、
すぐにつぶれたわよ
ピッチも不安定だし、すぐ壊れる。
修理も不可でどうしようもない状況になります。
安物買いの銭失いになるので、かなり安いフルートは避けるのがいいでしょう。
新品を買うときのチェックポイント

では、新品のフルートを買う時のポイントを紹介しましょう。
- 音がすぐ鳴るか(息を入れたらスッと音が出るか)
- キーが軽く動くか(カタカタしないか)
- ピッチが標準(A=442~444Hz)に合っているか
- 保証書・調整サポートがあるか
→ヤマハは独自サポート制度を用意していて加入することをお勧めしています。 - ケースカバーやクリーニングロッドが付いているか
→ケースカバーが別売りの場合があります。購入時のサービスでお手入れセットを
つけてくれることがあります。

→私が普段使っているお手入れグッズです。ロッドは標準装備でした。
特に「試奏できるかどうか」が大事。
楽器店なら吹いて確認できるし、スタッフが調整した上で引き渡しをしてくれます。
試奏は、本当は習う先生に聞いていただいて選ぶのがいいのですが、先生が決まっていない場合は、楽器に精通している友人についてきてもらうのがいいです。
楽器店の人が立ち会ってくれる場合もあります。
試奏時にわからないことがあれば、楽器店の方にどんどん質問してみましょう。
ネット購入は安くても、初期調整なしで届いて「鳴らない!」なんて話もあるから要注意です。
店舗 vs ネット購入

近頃、楽器店や通販サイトで簡単に楽器が買えるようになりましたね?
実際に見て買うのが一番安全ですが、忙しくて思わず初めてのフルートをネットで買ってしまう人はいるでしょう。

ネットで購入された方の修理依頼も
ありますね

私も一度売買サイトで買った経験あるよ
不安な点は多いね
楽器店で買うのがいいのか、ネットで買うのがいいのかを見てみましょう。
楽器店で買う場合
楽器店で購入する際のメリットでデメリットは、
- メリット:試奏できる、相談できる、初期調整あり。
- デメリット:価格はやや高め。
です。
デメリットで「価格がやや高め」とあげていますが、楽器店によってはすでに1割程度値引きしているところがあります。
良心的な販売をしているお店を探してみると、自分にあう楽器と出会える可能性が高くなります。
ネットで買う場合
通販サイトや楽器店のネットサイトでも、楽器は購入できます。
メリットはありますが、デメリットもあります。
- メリット:価格が安い、在庫が多い。
- デメリット:調整なし、偽物・並行輸入リスクあり。
楽器店のネットサイトで購入した場合は、店頭で買う時と同じ保証は受けられます。
ただし、輸送中に破損するリスクはあるので、初心者が楽器店のネット販売で買うのは怖いですね。
初心者なら、最初は信頼できる楽器店で買うのが安心。
ちょっと高くても、安心料だと思ってください。
フリマサイトでの購入について
ネット上ではフリマサイトが存在しますよね?
不要になったものを気軽に売買できる便利な場所ではあります。
もちろん楽器も出品されていて、安く手に入ります。
しかし、出品者が提示している情報量が少ないなどでトラブルも多いです。
初心者には絶対おすすめしません。
初心者におすすめのモデル例

では、初心者におすすめのフルートのモデル例を紹介します。
- とりあえず始めたい → YAMAHA 200シリーズ、Pearl Dolce(ドルチェ)
- 長く続けたい → YAMAHA 300シリーズ(頭部銀)、Pearl Elegante(エレガンテ)
- ワンランク上を狙いたい → Altus、Muramatsu 、サンキョウのエントリーモデルもしくは
各メーカーの管体銀製モデル
とりあえず始めてみたい方は↓
長く続けてみたい方は↓
ワンランク上を目指してみたい方は↓
もちろん予算次第。
でも「最初からそこそこのもの」を選んだ人ほど、長く続けている印象があります。
まとめ
初心者がフルートを購入するときのポイントは:
- 目的をはっきりさせる
- 最低限の価格帯(8万円以上)で選ぶ
- メーカーは信頼できるブランドから
- Eメカ付き・カバードキーがおすすめ
- できれば楽器店で試奏して購入
フルートは最初は音が出にくいもの。
それは「楽器のせい」じゃなくて「慣れ」の問題。
だからこそ、安心して吹ける一本を選ぶことが大切です。
最後にひと言。
「安さに釣られて変な楽器を掴むより、“少し背伸びした一本”の方が、あなたのやる気を長持ちさせるのよ!」




